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戒めを胸に  [仕事Vol.229]

安曇野市で、『設計室a-ray』(これでアライと読みます)

という名の設計事務所を構えている新井と申します。

 

 

先日お仕事仲間と話していた時に、

ちょっと気になる話を聞きました。

 

あるお客様がある地元の建築家に設計を依頼をしたそうです。

最初に基本設計を進めてもらっていたのですが、

設計の手法等に違和感を覚えたらしく、

お断りの連絡をしたそうです。

 

それから別の建築家さんにお願いして、

無事に自邸の完成を迎えたそうです。

 

ここまででしたらよくある話ではあるのですが、

問題はそこからです。

 

完成から数年後、

お断りした建築家の方から通知が届いたそうです。

内容は、

基本設計時に提出した設計の著作権を主張したものらしく、

著作権料を支払えというもの。

 

依頼時にどういう契約を交わしているのかわかりませんので、

何とも言えないのですが、

その建築家には前例もあったそうです。

 

その後どうなったのかは聞いておりませんが、

気になるところです。

 

そこでふと思い出したことがあります。

ワタクシも以前勤めていたハウスメーカーや設計事務所時代、

同じようなことが何度かありました。

 

特に思い出すのは、

依頼主がワタクシともう一社を同時進行していて、

こちらの提出した図面や資料をもう一社に持ち込み、

そちらに反映させていたようです。

打合せすること十数回、

結局もう一社の方が若干費用が安くなるという内容の、

簡単なメールでお断りされました。

数年後たまたまその家の近くを通ったので見に行ってみると、

ほぼ丸パクリでちょっと色使いの悪い建物が建っていました。

 

怒りというより悲しくなった思い出があります。

 

お客様には契約の中の権利があるので、

何が良い悪いとは一概に言えませんが、

イエを造る作業というのは、

ある意味人と人とのぶつかり合いから生まれる部分もあります。

お互いに機械的・無機質になるのではなく、

人間味のある対応を取れることが理想的だなと思っております。

 

今回の話は良い教訓になりそうだなと思う、

年末のそんな夜。

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