2017年12月06日
安曇野市で、『設計室a-ray』(これでアライと読みます)
という名の設計事務所を構えている新井と申します。
先日お仕事仲間と話していた時に、
ちょっと気になる話を聞きました。
あるお客様がある地元の建築家に設計を依頼をしたそうです。
最初に基本設計を進めてもらっていたのですが、
設計の手法等に違和感を覚えたらしく、
お断りの連絡をしたそうです。
それから別の建築家さんにお願いして、
無事に自邸の完成を迎えたそうです。
ここまででしたらよくある話ではあるのですが、
問題はそこからです。
完成から数年後、
お断りした建築家の方から通知が届いたそうです。
内容は、
基本設計時に提出した設計の著作権を主張したものらしく、
著作権料を支払えというもの。
依頼時にどういう契約を交わしているのかわかりませんので、
何とも言えないのですが、
その建築家には前例もあったそうです。
その後どうなったのかは聞いておりませんが、
気になるところです。
そこでふと思い出したことがあります。
ワタクシも以前勤めていたハウスメーカーや設計事務所時代、
同じようなことが何度かありました。
特に思い出すのは、
依頼主がワタクシともう一社を同時進行していて、
こちらの提出した図面や資料をもう一社に持ち込み、
そちらに反映させていたようです。
打合せすること十数回、
結局もう一社の方が若干費用が安くなるという内容の、
簡単なメールでお断りされました。
数年後たまたまその家の近くを通ったので見に行ってみると、
ほぼ丸パクリでちょっと色使いの悪い建物が建っていました。
怒りというより悲しくなった思い出があります。
お客様には契約の中の権利があるので、
何が良い悪いとは一概に言えませんが、
イエを造る作業というのは、
ある意味人と人とのぶつかり合いから生まれる部分もあります。
お互いに機械的・無機質になるのではなく、
人間味のある対応を取れることが理想的だなと思っております。
今回の話は良い教訓になりそうだなと思う、
年末のそんな夜。
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